ブランドストーリー

キブロン生まれ

フランス ブルターニュ地方にある港町キブロン。
この町を訪れる観光客の殆どが足を運ぶと言われるお菓子屋さんがメゾン・ルルーです。

外観
街 海岸
  • 1977年、アンリ・ルルーは営業中のお菓子屋さんを引き継ぐ形でこのお店を始めます。
    そこはどこにでもあるような町のお菓子屋さんで、生菓子からチョコレートまで一般的な品揃えのお店でした。
    営業を引き継いだ後、他との差別化を考えたアンリはまず「生菓子は作らない」ことを決め、
    チョコレートとアイスクリームがメインのお店に変えます。
    ブルターニュ出身であるアンリの地元への想いは強く、
    地元民が慣れ親しんだ味をメインとしたお店になりましたが、「まだ何かが足りない」と感じたアンリは
    地元で食べられていた、ごく一般的なキャラメルに注目しました。

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  • バターのカーテン

    フランス北西部にあるブルターニュは海と荒涼たる台地が特徴的な土地です。
    この地方は酪農が盛んで、伝統的にバターが作られてきました。
    とりわけ大西洋に突き出す半島であるブルターニュはその海洋性を生かし、
    「有塩バター」が主に作られてきました。
    国内の他の地域でもバター作りは行われていましたが、ほぼ全て無塩タイプでした。
    これがブルターニュ地方とそのほかの地方には「バターのカーテンがある」と言われる所以です。
    ブルターニュは有塩、その他は無塩、これがバターに対するフランス人の一般的な考え方でした。
    その為フランスでキャラメルといえば、無塩バターが一般的だったのです。

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  • C.B.S®のはじまり

    この特徴的なブルターニュのバターを使って商品開発を試みたアンリは、
    塩バターキャラメルに、香ばしさと食感を生み出すナッツを混ぜて
    C.B.S®(キャラメル・ブールサレ=塩バターキャラメル)を考案します。
    1980年にパリで開かれた国際コンフィズリーサロンでこの商品は最優秀ボンボン賞を獲得し、
    一躍フランス全土で有名となりました。
    それまでローカルで楽しまれていた塩バターキャラメルを一気にスターの座に押し上げた立役者、
    それがアンリの発明したキャラメルだったのです。

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  • 世界唯一、キャラメル職人の称号

    有塩バターとゲランドの塩でキャラメルを炊き、
    そこにアーモンドやヘーゼルナッツ、クルミなどを砕いて合わせ、完成したのがC.B.S®です。
    塩バターキャラメルはアンリが考案したこのレシピのおかげで、
    フランス中、世界中でその名を聞く存在へと変貌します。
    キャラメル職人を意味する「キャラメリエ」という言葉はアンリ自身が名乗った造語ですが、
    あまりにも衝撃的な味わいのC.B.S®を作り出した職人としてお菓子職人の中でも賞賛され、
    現在まで彼以外に「キャラメリエ」を名乗る人は現れていません。
    世界唯一のキャラメル職人の称号。それがメゾン・ルルーの創業者に与えられた栄誉です。

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  • チョコレート職人としての評価

    1980年、C.B.S®が世界的に有名となって以降
    ブランドではキャラメルが看板商品として君臨してきましたが、
    2000年以降はサロン・デュ・ショコラをはじめとする世界的なイベントで、アンリの作るチョコレートが大きく評価されました。
    次第にこのチョコレートがキャラメルと並んで、ブランドを代表する双璧の存在となっていきます。
    それまでキブロンの店舗に併設されていた製造ラボは郊外に移転し、
    パリにも3店舗を展開、フランスを代表するブランドへと成長していきます。

    その後、創業者アンリが引退しましたが、愛弟子のジュリアン・グジアンがレシピをしっかりと継承し、
    アンリが生み出した味を守り続けてきました。
    ジュリアンに代替わりしてからもフランスのベストショコラティエ15人に選ばれるなど評価は依然として高く、
    フランスの菓子業界での地位を維持してきました。
    次々と新たなスターが誕生するフランス菓子業界において、
    トップの地位を守り続けることは容易なことではないのは想像に難くありません。

  • 新たな門出

    2019年、これまで40年近く培ってきたブランド価値に加え、
    今後100年以上続くブランドへと成長するために、新たな要素を取り入れて再出発しようと決意。
    この時、屋号を「アンリ・ルルー」から「メゾン・ルルー」へと変更しました。
    たくさんの人に慣れ親しまれたアンリ・ルルーの名前を変更することに大変な決断が必要でしたが、
    スタッフ一同、新たな門出とするための名称変更に異論はありませんでした。
    同時に、慣れ親しまれたロゴやイメージも刷新して、
    新たなブルターニュのイメージで打ち出していくことを決めました。
    屋号を変更してもなお、アンリの作り出したレシピを忠実に守りながら、時代の潮流も取り込み、
    より多くの人に楽しんでいただける製品づくりを行っています。

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  • 2020年にはジュリアンに代わりフランス最高職人M.O.F※の一人、ダヴィッド・ヴェスマエルがシェフとなり、
    新たなステージへと踏み出しました。
    リブランディングのために一時活動を停止していた日本市場でも、2022年から活動を再開しています。
    Glace(アイスクリーム)のM.O.Fであるダヴィッドを中心に、今後は守り続けてきた味をアイスクリームにも生かし、
    新たな美味しさを提案します。
    そして創業者アンリがブルターニュにこだわったように、新しいメゾン・ルルーもその意思を受け継ぎ、
    ブルターニュにこだわった製品作りを続けていくことも約束します。
    ※Meilleur Ouvrier de Franceの略称で、フランス国家最優秀職人章の意味

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